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「ファイアーウォール」 上・下 ヘニング・マンケル

「ファイアーウォール」 上・下
著 者 ヘニング・マンケル
訳 者 柳沢由実子
発行所 創元推理文庫


 スウェーデンの作家ヘニング・マンケルのヴァランダー・シリーズ第八作目。

 本作品がスウェーデンで刊行されたのは1998年

 1990年代末のスウェーデン。
 本作品もまた、無秩序な世の中の到来を嘆きながらも、警察官としての使命を全うしようと葛藤するヴァランダーが描かれる。作者ヘニング・マンケルが作中人物の姿を借りて、スウェーデンに生きる人たちの思いを代弁する。

 今、2018年。この日本に生きる人たちもまた、この国はどうなっていくのか、という思いを強めながら、毎日の生活を送っているに違いない。

 西日本豪雨の被害を伝える本日の朝刊を読みながら思うことは、想定外を想定できなかったのか、ということ。

 大陸の東側に位置する地震列島、日本。温帯という生活しやすい気候帯に属するといいながらも、季節風の影響を受ける大陸の東側。温帯のなかでも過酷な気候条件。自然の猛威は計り知れない。誰もが知っている自然の過酷さなのだが、霞が関に住む為政者は、そのような自然の猛威を体感することはないのだろう。

 自然災害を緩和する施策はあるはずなのに、それを行なわない無策。私たちが納める税金は無駄なところ、為政者の私利私欲に消費されている。

 十代の少女二人がタクシー運転手をハンマーとナイフで襲い、瀕死の重傷を負わせた。本人たちは金ほしさからというが、ヴァランダーは疑う。緊急に金が必要ではなさそうなのに、六百クローネ(約七千円)のために人を殺すだろうか。

 疑問を抱き続けるヴァランダーに別件で現金自動支払機の前で死体が発見されたとの報告が入る。事件性がないと片付けられるが、警察署から脱走した少女の一人が、まもなく変電所で焼死体となって発見されたところから、事件は思いがけない方向へと展開する。

 新しい時代の犯罪をテーマに、苦悩するヴァランダーが描かれる。

訳者あとがき

2012年9月21日 初版



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きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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