「笑う男」 ヘニング・マンケル

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「笑う男」 ヘニング・マンケル

「笑う男」
著 者 ヘニング・マンケル
訳 者 柳沢由実子
発行所 創元推理文庫


 毎日新聞夕刊(2018年6月27日)によると、米国務省高官が26日、欧州や日本などイラン産原油を輸入している諸国に対し、11月4日までに禁輸措置を取るように要請したと表明したとか。トランプ政権が、2015年に米英仏独中露とイランが結んだ核合意からの離脱を宣言したのは5月。国務省高官は、米政権がイランに対して最大限の圧力をかけようとしていることを「(日本は)理解している」と述べ、協力体制が築けることに自信を示したという。

 日本にとってイランは貴重な原油輸入相手国。アメリカの決定に対して日本はどう反応するのか。日本の為政者の今後の動向に注目しなければならない。

 日本の原油地域別輸入比率(2016年)(石油統計)によると、
サウジアラビア 35.7%
アラブ首長国連邦 24.4%
カタール 9.2%
イラン 6.9%
クウェート 6.8%
イラク 2.4%
オマーン 1.2%
ロシア 6.0%
メキシコ 2.7%
インドネシア 1.7%
その他 3.0%


 刑事クルト・ヴァランダーが活躍するスウェーデンの警察小説シリーズの第四弾。

 クルト・ヴァランダーにとって、警察官という仕事こそが、自分が社会の一部に繋がっていると感じさせてくれる何よりも大切なもの、ということをヴァランダー自身が再確認する、いわば、俺から警察官の仕事を取ったら何も残らない、そうなったとき社会的存在としての自分自身もまた無に帰する、だからこそ警察官である自分を放棄することはできない、ということが作品のモチーフ。

 生きていくうえで社会的存在としての自分を実感することができることほど、面白いことはない。年齢をへて初めて知ることができる真実。百の趣味より一つの仕事。これほどの人間冥利はない。

 前作『白い雌ライオン』で、正当防衛とはいえ人を殺してしまったヴァランダー。トラウマに襲われ、罪悪感を払拭できず、尋常な精神状態を喪失したヴァランダー。そんな生活が一年ほど続いているヴァランダーのもとに知り合いの弁護士がたずねてきた。

 同じ弁護士の父親が交通事故で死亡したが、腑に落ちない点があるという。

 だが、ヴァランダーに他人の悩みに力を貸す余裕はなかった。

 警察を辞める決心をして、イースタに戻った彼が新聞で見たのは、自分に助力を求めた友人の死亡記事だった。先週の火曜日、事務所で撃たれたという。他殺だった。

 急遽、意を翻したヴァランダーは復職し、事件を追い始めた。

 本作のスウェーデンでの発刊は1994年。

 当時のスウェーデン社会を反映しながらストーリーは展開。物語は秘密裏に行われる臓器売買を目的とした殺人の存在にも言及。

 特筆すべきことの一つとして、イースタ署の新任刑事として女性刑事アン=ブリット・フーグルンドが登場。

解説 関口苑生

2005年9月30日 初版

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散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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