「白い雌ライオン」 ヘニング・マンケル

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「白い雌ライオン」 ヘニング・マンケル

「白い雌ライオン」
著 者 ヘニング・マンケル
訳 者 柳沢由実子
発行所 創元推理文庫


 刑事クルト・ヴァランダーが活躍するスウェーデンの警察小説シリーズの第三弾。

 同時進行する二つの物語。
 田舎町イースタの警察官の物語と南アフリカ共和国で進められる謀略。

 中学校で使用されている地理的分野の教科書から南アフリカ共和国についての記述を引用すると、

 南アフリカ共和国は、アフリカ大陸の一番南に位置し、気候が温暖で、経済的に豊かな国です。しかし長期間、アパルトヘイト(人種隔離政策)によって、少数の白人が多数の黒人を支配してきた歴史があります。人種が異なる人との結婚は禁じられ、住む場所も人種によって決められていました。1994年に全人種が参加する選挙が行われ、黒人のネルソン・マンデラ氏が大統領になると、ようやくアパルトヘイトは廃止されました。異なる人種どうしの和解や協調、経済格差の見直しを進めていますが、現在でも、黒人と白人との貧富の差は残っています。(帝国書院「社会科 中学生の地理」平成30年1月20日発行)

 デクラーク大統領が1991年2月の国会演説でアパルトヘイト政策の廃止を宣言した後、1994年4月の総選挙実施まで南アフリカ共和国では危機的な混乱が続き、多くの死者を出した。

 本書「Den vita lejoninnan」が出版されたのは、1993年。

 南アフリカ共和国の混乱を背景として物語は進行する。

 体制維持を目論むボーア人による秘密結社がアパルトヘイト政策を存続させるために立てた計画はネルソン・マンデラ暗殺。

 暗殺計画を遂行するために選ばれたコーディネーターは失業中の元KGB諜報員だったロシア人。秘密結社によって、南アフリカ共和国でリクルートされた暗殺者候補が向かったのはサンクトペテルブルク。彼らは合流の後、列車でフィンランドへ行き、そこからスウェーデンへ向かう手筈が整えられていた。

 スウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が行方不明になった。失踪か、それとも事件か、事故か。ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところがその近くで謎の空き家が爆発炎上。焼け跡から発見されたのは、黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置だった。

 文庫本ながら、総ページ数716ページ。
 スウェーデンとロシア、南アフリカ共和国を結ぶ壮大でスリリングな物語。

解説 吉野 仁

2004年9月30日 初版

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散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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