FC2ブログ

「死刑囚」 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム

「死刑囚」
著 者 アンデシュ・ルースルンド
    ベリエ・ヘルストレム
訳 者 ヘレンハルメ美穂
発行所 武田ランダムハウスジャパン


 ストックホルム市警エーヴェルト・グレーンス警部が主人公として活躍するシリーズ第三作。

 『ボックス21』の続編。

 ある冬の日、フィンランドからストックホルムへ向かう船内で暴力をふるい、傷害容疑で逮捕されたカナダ国籍の男は、無実を訴えながらも死刑の宣告を受け、死刑執行を目前にしながらアメリカの刑務所で病死したはずの男だった。

 米国での判決に疑問をいだき始めたストックホルム市警エーヴェルト・グレーンス警部らの面々だったが、事件は外交問題として決着させられてしまう。

 再び死刑執行へのカウントダウン。
 どんでん返しが起こるのかとドキドキしながら読み進めながらも、最終的に、死刑は執行されてしまう。

 十七歳のジョン・マイヤー・フライが十六歳のエリザベスを殺害したとされている事件の真相が、後日談のように明らかにされていく。

 死刑制度について、作者が、小説の登場人物であるスヴェン・スンドクヴィストと息子のヨーナスに語らせる会話が印象的だった。

「その子のパパはね、べつの国に住んでるんだ。アメリカって知ってるだろう。アメリカには、その子のパパが人を殺したと思ってる人がたくさんいる。で、アメリカでは・・・・・人を殺した人は、逆に殺されることになってるんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「よくわかんない」
「パパもだよ」
「だれが殺すの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「国家。国だよ。これ以上うまく説明できない」
「その子のパパを殺すって、だれが決めるの?  だれかが殺すって決めるんだよね?」
「陪審員と、判事だよ。テレビで見たことあるだろう、裁判の場面」
「陪審員?」
「ああ」
「それと、判事?」
「ああ」
「それって、人間?」
「そうだよ。人間だ。普通の人間だよ」
「じゃあ、その人たちはだれが殺すの?」
「その人たちは殺されないんだ」
「でも、その人たち、人を殺すって決めるんでしょ。そしたら、人を殺すのと同じことだよ。人を殺したら、殺されることになってるんだよね。だれがその人たちを殺すの? よくわかんないよ、パパ」
(469ページ~471ページ)

 訳者あとがき。

2011年1月10日 第1刷発行

スポンサーサイト
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
スポンサードリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク
Amazon
プロフィール

きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ