「制裁」
著 者 アンデシュ・ルースルンド
ベリエ・ヘルストレム
訳 者 ヘレンハルメ美穂
発行所 早川書房 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 「ガラスの鍵」賞(最優秀北欧犯罪小説賞)受賞のノンストップ・ノベル。
原文がどうなのか分からないけれども、過剰な修飾語を省いた小気味よい展開のハードボイルド。物語を楽しむと同時に、死刑制度の存在しない国のジレンマをも知ることができる。
女児暴行・殺害の罪で服役中の囚人が、護送中に逃亡。
ふたたび幼い少女が犠牲となる可能性が発生。
警察が総力を挙げて逃亡した囚人の行方を追うなか、五歳の娘を保育園に送り届けた作家のフレドリックは、閉まった門のすぐ外にあるベンチに座っている男を目撃。
子どもたちの誰かの父親にちがいない。
離婚した元妻からの電話を受けながら見たテレビの画面に、先ほど見たベンチに座っている男が映っている。
逃亡した女児暴行・殺害の罪で服役中の囚人。
再び悲劇が繰り返され、女児の父親フレドリックは犯人を射殺した。
フレドリックに下された判決と、その判決が投げかけた波紋。
異常な暑さに見舞われた夏のスウェーデンで憎しみの連鎖が展開される物語。
訳者あとがき。
2017年2月25日 発行

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