髙樹のぶ子 「白磁海岸」

見たり、読んだり、思ったり。

髙樹のぶ子 「白磁海岸」

「白磁海岸」
著 者 髙樹のぶ子 (たかぎ のぶこ)
発行所 小学館


 初出は「北國文華」(北國新聞社刊)55号(2013年春号)~71号(2017年春号)に『波涛』と題して17回連載。

 作品の舞台は石川県。

 堀雅代は自殺と断定された息子の死因に疑問を持ち続けていた。当時息子の圭介は22歳。大波が当たる堤防から身を投げて死んだという。遺書はなく、死なねばならない理由もなく、強いて言えば失恋。羽田涼子と柿沼利夫との三角関係の敗者としての悲劇の結果。

 息子の死の真相を突きとめるため、長年一級和裁士として働いてきた京都の繊維問屋を六十歳で退職することに決めた雅代がすぐに手をつけたことは、柿沼利夫と涼子の日常を調べることだった。

 利夫は母校である金沢芸術大学で美術科の准教授。その大学は彼の妻涼子と圭介の母校でもあった。圭介と利夫と涼子は同じ大学で美術を学んだだけでなく、三人は特別に仲が良かったという話を雅代は圭介から聞かされていた。

 堀雅代は名前を堀田雅代に変えて、モロミ館の管理人として就職した。

 金沢芸術大学情報管理部の講師薄井宏之が、かなり昔から研究室にあったらしい教授のお古を譲り受けたロッカーから出てきたのは、埃まみれの新聞紙と布に包まれた直径二十数センチの灰白色の色調の円形の白磁の皿だった。

 雅代が夢二館で働く二十歳の美津と出会ったとき物語は動きはじめる。

 本篇は高麗白磁の北からの密輸ルートが示唆され、柿沼利夫の手紙で圭介の死の真相が明かされて結末を迎える。

2017年12月3日 初版第1刷発行

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[ 2018/05/14 01:00 ] 国内の作家の本 高樹のぶ子 | TB(-) | CM(0)
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散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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