宮城谷昌光 「子産」 上・下

見たり、読んだり、思ったり。

宮城谷昌光 「子産」 上・下

「子産」 上・下
著 者 宮城谷昌光 (みやぎたに まさみつ)
発行所 講談社


 孔子が尊敬した人物のひとりが子産であるという。子産とはいかなる人物だったのか、その生涯に渡る行状を春秋という時代背景とともに知ることができる。

 子産(  ?  - 紀元前522年)は鄭の政治家。祖父は鄭の穆公(在位期間 ; 紀元前627年~ 紀元前606年)。父は子国(公子発)。夏姫は子国の姉にあたる。

 物語は十一歳の子産、少年の目に映った鄭の国情からはじめられる。上巻はもっぱら父、子国の時代と鄭をめぐる諸国の動静、そして父の政治上のあり方が示されるとはいうものの、後に鄭の宰相として異彩を発揮する子産の才能の片鱗を垣間見ることができる。

 春秋時代に現れた子産という政治家の器の大きさ、人間的な魅力だけでなく、現代における為政者の本来のあり方についても大きな示唆を得ることができる。

 本書の随所に散りばめられた著者によって解釈された政治家としての子産の在りようを現在の日本の為政者たちにも学んでもらいたいものである。

 たとえば、

〇 ささいなことで怒気を発する者の知能は低い。賢い者はつねに静かである。(上巻297ページ)

〇 政治をおこなう者の理想は、「無偏無党」であり、偏奇は、わが身だけでなく一門をも滅ぼすもととなる。(上巻321ページ)

〇 国民の声を遠ざけ、おさえつけると、その声は怨毒(えんどく)と化してひそかに巨大となり、ある日突然、爆発して政府を吹きとばしてしまう。(下巻356ページ)

 本書全2巻から三箇所だけ抜き出したけれども、現代の政治だけでなく、あらゆる分野の指導者にとって箴言となる言葉に満ちている。

子産(上)(下) 2000年10月10日 第1刷発行



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[ 2018/03/22 15:00 ] 国内の作家の本 宮城谷昌光 | TB(-) | CM(-)
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Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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