樋口明雄 「火竜の山 南アルプス山岳救助隊K-9」

「火竜の山 南アルプス山岳救助隊K-9」
著 者 樋口明雄 (ひぐち あきお)
発行所 新潮社


 「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズ。

 舞台は岐阜県の北部にある仮想の火山、新羅山。付近は地下で北米プレートとユーラシアプレートが重なり合い、活断層が複雑に入り組んでいる場所であり、三年前から地震が頻発していた。

 北岳で山岳救助隊員として活躍する星野夏実と神崎静奈は岐阜県警狩場警察署地域課につくられた山岳救助隊から依頼を受け、南アルプス山岳救助隊の救助犬チーム〈K-9〉のデモンストレーションと講演会の任を果たすために現地へ向かっていた。

 途中、対面通行で追い越し車線のない単線の高速道路左側の路側帯を走行してふたりの乗るエクストレイルを追い越した濃紺の三菱デリカ。運転席と助手席に若いふたりの男女、直人と佳菜子。後部座席には彼らが路上で誘拐した小学六年生の大村翔太が猿ぐつわをかまされて横たわっていた。

 インターネットの登山サイト〈やまたび〉の掲示板に「初めての新羅山トレッキングに挑戦します。同行者募集中!」を見つけた二十六歳の荻島沙耶は「参加希望」を表明して現地入りした。父母はすでに離婚。父は火山学者の榎田智司。

 組の若頭から依頼を受けたヒットマンのターゲットは桜井直人。

 活動を開始した新羅山。噴火する火山を舞台に繰りひろげられる思わず呼吸を止めてしまうほど緊張する活劇。死闘を征した最後の瞬間、神崎静奈はUH-60JAに引っ張り上げられた。

 息もつかせぬ展開。最終ページを読み終えて、ようやくホッとすることができる、あっという間の総ページ数344ページの書き下ろし作品。文字による映像表現の極み。

 二十年ほど前、浅間山を東方向に望む黒斑山(標高2,404m)を登山中、訓練とはいうものの、いきなり山全体に鳴り響くサイレンにびっくりしたことを思い出しました。

2016年10月20日 発行

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[ 2018/03/21 01:00 ] 国内の作家の本 樋口明雄 | TB(-) | CM(-)
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散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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