澤田瞳子 「若冲」

見たり、読んだり、思ったり。

澤田瞳子 「若冲」

「若冲」
著 者 澤田瞳子(さわだとうこ)
発行所 文藝春秋


 若冲を主人公に据えた短編連作集、全八篇。
 初出は2013年から2015年にかけてのオール読物。

 若冲の生涯、その時々に題材を得ながら、池大雅、円山応挙、与謝蕪村、谷文晁、市川君圭など京都を活動の拠点とした他の画人たちとの関りにまで筆は及ぶ。

 これら画人のなかでも、若冲にとって生涯因縁のライバルとなる市川君圭は本当に実在した人物なのか。「デジタル版 日本人名大辞典+Plus」によると、江戸時代中期-後期の画家として確かに存在していた。近江出身。通称は弁蔵。

 そういってもと思いながらネット上を検索すると、「NEWSポストセブン」に【著者に訊け】澤田瞳子氏 天才画人の生涯描く小説『若冲』がありました。

 市川君圭、実在した人物ではあるけれども、若冲との関係は著者の創作だったようです。創作だからこその面白さ。よくぞこんな物語を拵えたものです。著者に喝采。

 伊藤若冲 1716年~1800年

 本書巻頭の作品は『鳴鶴』。絵を描く源左衛門(若冲)は四十歳。『芭蕉の夢』の時代背景は宝暦事件(1758年)。本書「若冲」の時代背景は田沼意次の政治、寛政の改革が行われた頃。それぞれの時代の有様を小説に取り入れながら臨場感たっぷりの仕上がり。そしてまた作中人物たちに対する著者の思い入れもまたたっぷり。小説ならではの賜物。

 全八篇のうち、特にオモシロ楽しく読んだのは、『つくも神』。この作品をジャンル分けするとすればミステリー、推理小説。探偵役を担うのは中井清太夫。後の回でも登場する中井清太夫、なかなか重要な役どころを担当する。

2015年4月25日 第1刷発行

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[ 2018/02/05 14:00 ] 国内の作家の本 澤田瞳子 | TB(-) | CM(-)
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散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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