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齊藤慶輔 「野生の猛禽を診る」 獣医師・齊藤慶輔の365日

「野生の猛禽を診る」 獣医師・齊藤慶輔の365日
著 者 齊藤慶輔
発行所 北海道新聞社


 オオワシ、オジロワシ、シマフクロウなど猛禽類の凛々しい姿。その写真を見るたびに、生まれ変わるなら猛禽類もいいなと思ってしまうのだが、今絶滅の危機に瀕している。

 なかでも1990年代後半から顕著になってきたオオワシやオジロワシの鉛中毒死による絶滅の危機。ワシ類がなぜ鉛中毒と思うのだが、シカなどの狩猟で使われるのが鉛弾、狩猟で射止められたシカの多くは猟場で解体される。被弾部や食用に適さない部分は、そのまま山野に放置されることが多かった。

 これらの死体には鉛弾の破片が数多く残っており、放置された肉を猛禽類が餌として食べた際、鉛をも飲み込み鉛中毒に陥る。

 海ワシ類の銃弾による鉛中毒死は1996年に初確認して以来、山菜採りの人や釣り人によって偶然発見され、彼らの厚意で行政機関などに運ばれた後、専門的な検査によって鉛中毒であると確定診断された数だけで、2013年春までの集計で150例以上にのぼるという。

 多発するワシの鉛中毒に対し、北海道は鳥獣保護法に基づく告示という形で2000年度の猟期からエゾシカ猟における鉛ライフル弾の使用規制を開始し、2004年度からはヒグマ猟を含むすべての大型獣の狩猟を対象に道内で鉛弾の使用を禁止したのだが、2010年に収容された鉛中毒のオジロワシの写真と2012年に撮影された鉛中毒を発症したオオワシの写真が載せられている。

 海ワシ類よりも分布域が広いイヌワシやクマタカなどの場合はどうか。

 2003年と2004年の冬、釧路市阿寒町の山林で外見上健康なクマタカを捕獲し、血液中の鉛濃度を測定したところ、血液中の鉛濃度が中毒量を上回っていたという。

 雄々しく空を飛ぶ憧れの猛禽類。
 しかしこのまま放置すれば絶滅の危機。
 食物連鎖の頂点に立つかに見える人間界にも影響があるに違いない。

 かつてガソリンのオクタン価を高めるために混ぜられていた鉛化合物。その危険性が指摘されるようになり現在日本国内で給油できるガソリンはすべて無鉛ガソリンである。鉛の血中濃度が高くなると、人格の変化、頭痛、感覚の消失、脱力、口の中の金属味、歩行の協調障害、胃腸障害、貧血が起こることがあるという。

2014年6月5日 初版第1刷発行

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[ 2018/01/08 14:00 ] 国内の作家の本 齊藤慶輔 | TB(-) | CM(-)
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Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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