澤宮 優 「集団就職 高度経済成長を支えた金の卵たち」

「集団就職 高度経済成長を支えた金の卵たち」
著 者 澤宮 優(さわみや ゆう)
発行所 弦書房


 今なぜ集団就職をテーマに出版されたのか、と不思議に思いながらも一気に読み終えてしまった。昭和三十年代から四十年代にかけての高度経済成長期、中学校卒業後、集団就職した人たちは、どんな思いで郷里を離れたのか。彼ら彼女らからの聞き書きをまとめることによって集団就職の実相が記されました。当時の労働の実態から昭和史を学ぶ手がかりの一つとすることができます。

 集団就職といえば、昭和39年に発表された歌謡「あゝ上野駅」が有名ですが、ここで歌われたのは東北地方出身の人たちの集団就職と思われます。本書の発行元である弦書房の所在地は福岡。本書では九州・沖縄地方から集団就職した人々の生き様が扱われました。

 高等学校といえば、全日制、定時制、通信制という分類だけしか知りませんでしたが、かつて隔週定時制高校が存在していたことを初めて知りました。

 大阪府の南西部、泉州には多くの繊維工場がありましたが、そこで働く女子従業員の勤務体系に合わせて開設された定時制高校が隔週定時制高校でした。大阪府では、昭和41年に府立の高校として貝塚高校、鳳高校横山分校、和泉高校、泉南高校に女子の生徒だけを対象として、隔週定時制課程家政科が開設されました。ここでは、働くことと学ぶことを両立させることの難しさを通して、学ぶ場によって得ることができた生命の充実感について知ることができます。

 目次
はじめに
序章 見送る人たち
第一章 京・阪神で働く・・・鉄鋼と紡績の街
第二章 中京で働く・・・繊維と陶器と鉄鋼の町
第三章 関東で働く・・・京浜工業地帯
第四章 僕らは南の島からやって来た
第五章 年季奉公・・・封建的労働の名残り
第六章 隔週定時制高等学校・・・織姫たちの青春
第七章 いま、働くことの意味を問う
[付]集団就職とその時代
あとがき 「働くこと」の根幹を考える
主な参考文献

2017年5月15日 発行

スポンサーサイト
[ 2017/10/01 00:00 ] 国内の作家の本 澤宮優 | TB(-) | CM(-)
スポンサードリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク
Amazon
プロフィール

きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ