別所真紀子 「残る蛍 浜藻歌仙帖」

見たり、読んだり、思ったり。

別所真紀子 「残る蛍 浜藻歌仙帖」

「残る蛍 浜藻歌仙帖」
著 者 別所真紀子(べっしょ まきこ)
発行所 新人物往来社


 前作「つらつら椿―浜藻歌仙帖」のほぼ一年後の連衆のようす。主人公は、実在の人物、江戸時代後期の女流俳人五十嵐浜藻。しかし浜藻の事績についての記録がほとんどないので、本書は連句に造詣の深い筆者によるフィクションです。筆者の思い入れの深い浜藻像が描かれました。

 月に一度の月次会。一座連衆が集えば、人生の哀歓、老若男女、生業も様ざまなれども、一心同体となって「かりそめの世」の歌仙を巻く。

 発端は「行く春の巻」、浜藻の旅ごころの句に長翠の出した付句「死んだ倅にばったりと逢ふ」、

行く春のわれも水沫か隅田川    冬夢
 釣糸垂れる翁長閑        助亭
百千鳥わらべ遊びを囃しゐて    みき
 はや入相の鐘鳴り出る      志鏡
望の月濡れ濡れ光る黒瓦      久蔵
 籠に盛りたる柿のうつくし    りえ
旅ごころ小さき草鞋を今年藁    浜藻
 死んだ倅にばったりと逢ふ    長翠
・・・・・・・・・・

 物語は一気に俳諧ミステリーの様相を呈していきます。
 一座連衆の集う連句の場が盛り上げる俳諧小説の面白さ。

 しかし、「残る蛍の巻」で拾われた赤子はどうなるのでしょうか。一読者としては気になるところです。

2004年4月30日 第1刷発行

スポンサーサイト
[ 2017/09/24 16:00 ] 国内の作家の本 別所真紀子 | TB(-) | CM(-)
スポンサードリンク
スポンサードリンク
スポンサードリンク
Amazon
プロフィール

きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ