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ピエール・ルメートル 「悲しみのイレーヌ」

見たり、読んだり、思ったり。

ピエール・ルメートル 「悲しみのイレーヌ」

「悲しみのイレーヌ」
著 者 ピエール・ルメートル
訳 者 橘 明美
発行所 文春文庫


 「たった三歩踏み込んだだけで、」「切り落とされた指や、大量の血餅が目に入り、汚物と血と内臓の臭いがむっと鼻を突く」凄惨な殺害現場。

 本書の主人公、司法警察警部犯罪捜査部班長カミーユ・ヴェルーヴェンを挑発するル・マタン紙の記者フィリップ・ビュイッソン。

 捜査を進めるうちに明らかになったのは、殺害現場が、1991年に出版されたブレット・イーストン・エリスの「アメリカン・サイコ」の模倣そのものだったことだ。

 犯罪小説の模倣が疑われる他の未解決事件を精査してみると、
 ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」
 エミール・ガボリオ「オルシヴァルの犯罪」
 シューヴァル&ヴァールー「ロセアンナ」

 そして、犯人から届いたカミーユ警部への最後の挑戦状。

 「影の殺人者」では、倉庫で妊婦が殺されるらしい。(389ページ)

 文庫本ながら、総ページ数460ページの大作。

 ピエール・ルメートルの作品を読むのは、「その女アレックス」「天国でまた会おう」に次いで三作目。期待感をもって読み進めたのだけれども、著者のミステリーに対する博識ぶりがひけらかされるだけの作品という印象。犯罪小説においては、その犯罪に至るまでの動機がないと。動機なき殺人が多々あるにはあるが、その動機の欠片すら読みとることができなかった。
 そしてまた、日本語訳のタイトルがいけない。読みはじめるや否や、すでに結末が暗示されるタイトルなんて。

2015年10月10日 第1刷発行




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[ 2016/12/29 09:00 ] 海外の作家の本 ピエール・ルメートル | TB(-) | CM(-)
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きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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