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鳥居 「キリンの子 鳥居歌集」

見たり、読んだり、思ったり。

鳥居 「キリンの子 鳥居歌集」

『キリンの子 鳥居歌集』
著 者 鳥居
発行所 KADOKAWA


 何気なく読み始めた歌集だけれども、著者はセーラー服歌人として知られていました。彼女自身の境涯があまりにもすさまじ過ぎるので、境涯歌に焦点が当てられがちですが、誰もが共感できそうな歌を選んでみました。

朝の道「おはよ! 元気?」と尋ねられもう嘘ついた 四月一日
水とお茶売り切れになる自販機は大人が多く居る階のもの
履歴書に濁った嘘を連ねよと進路指導の先生は言う
一つずつ命宿さぬ文字たちを綴り続けて履歴書できる

母の死で薬を知ったしかし今生き抜くために同じ薬のむ

全裸にて踊れと囃す先輩に囲まれながら遠く窓見る
孤児院にサンタクロースの服を着た市長あらわれ菓子をばらまく

みわけかたおしえてほしい 詐欺にあい知的障害持つ人は訊く
春菊がくたりと黄色くなったころ見切り品への移動はじまる

「イケメンの写真つかって入院費振り込ませるの」彼女は笑う

サインペンきゅっと鳴らして母さんが私のなまえを書き込む四月
学校のみんなに友はいじめられそれでも空の明るさを言う
壊されてから知る 私を抱く母をしずかに家が抱いていたこと
噴水は空に圧されて崩れゆく帰れる家も風もない午後

亡き母に同窓会の通知きて代理で「欠」の葉書を返す

著者プロフィール
鳥居(とりい)
2歳の時に両親が離婚、小学5年の時には目の前で母に
自殺され、その後は養護施設での虐待、ホームレス生活など
を体験した女性歌人。義務教育もまともに受けられず、拾っ
た新聞などで文字を覚え、短歌についてもほぼ独学で学ん
だ。「生きづらいなら、短歌をよもう」と提唱し、その鮮烈な印
象を残す短歌は人々の心を揺さぶり、支持を広げ始めてい
る。義務教育を受けられないまま大人になった人たちがいる
ことを表現するためにセーラー服を着ている。

2016年2月10日 初版発行


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[ 2016/10/14 21:00 ] その他の詩歌 鳥居 | TB(-) | CM(-)
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きどのひつじ

Author:きどのひつじ
散歩すると猫に会う。
いつもの場所にいつもの猫がいるのだが、人間とは付かず離れずの関係を保ちつつ生きているように思われる。

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